退職後に何をするか決まっていない。そのような方には、職業訓練の利用をおすすめします。ここでの職業訓練は、公的職業訓練(ハロートレーニング)と呼ばれる公的制度で、再就職のために必要な職業スキルや、知識の習得を目的としています。離職者を対象としたコースの受講料は無料(テキスト代は実費)で、知識の習得だけではなく、実技の習得も可能です。時間をもてあましてダラダラと就職活動するよりは、職業訓練を受講しながら、充実した就職活動を行うのが良いです。後述のメリットに記載しますが、雇用保険の長期受給を目的とした受講も可能です。
私は職業訓練を3度利用しており、少々裏技的な利用もしているので、そこについても紹介します。
教育訓練のメリット
職業訓練には以下のようなメリットがあり、享受できるものは大きいです。
- 離職者対象のコースは受講料が無料(テキスト代は実費)
費用を気にせず受講でき、資格取得や実技訓練が可能。 - 就職活動もフォローしてれる
履歴書、経歴書作成についてのアドバイスや、
作成書類のチェックなども行ってくれます。 - 受講者を対象とした仕事の紹介
繋がりの強い企業への斡旋や、訓練者へのオファーなどがあります。 - 雇用保険受給者は、訓練期間中は継続して受給できる
待機期間に受講が開始されると、受講開始とともに受給も開始されます。
また、本来3カ月しか受給できない方が、6カ月コースを受講した場合、
受講中の6か月間継続して受給する事が可能です。 - 雇用保険受給者は、認定日の処理が不要(代行してもらえる)
受給期間中は毎月認定日にハローワークで手続きが必要ですが、
受講期間中は、手続きを代行してもらえます。
教育訓練のデメリット
以下のようなデメリットはありますが、一般的に考えると普通のことなので、あまり気になりません。
- 受講時間に縛られる
訓練なので当然ですが、毎日決められた時間に受講する必要があります。
遅刻や欠席が多いと、受講終了となってしまう場合があります。 - 受講規則に縛られる
こちらも当然ですが、規則があります。
違反すると、受講終了となってしまう場合があります。 - 受講可能な時期が決まっている
毎月募集している訓練もありますが、長期の訓練の場合は3カ月毎などの
一定の周期でしか募集していため、タイミングが合わない場合があります。 - 地域、場所によって訓練できる内容が異なる
希望する訓練が近隣で行われていない場合があります。 - 通うのに不便な場合がある
訓練施設が郊外にある場合、交通手段が不便な場合があります。
職業訓練の受講の流れ
離職者を対象とした職業訓練には、離職者訓練と求職者支援訓練の2種類があり、前者の対象は主に雇用保険を受給している求職者で、後者の対象は雇用保険を受給できない求職者です。どちらも受講する為にはハローワークで受講申し込みを行う必要があります。申し込み後は、職業訓練施設側での選考試験(筆記試験・面接)を受験し、合格する必要があります。合格後、ハローワークと訓練施設で手続きを行い、訓練開始となります。
- ハローワークで職業訓練受講申し込み
- 訓練施設で選考試験(筆記試験・面接)
- 選考結果の通知
- ハローワークで手続き
- 訓練施設で手続き
- 訓練開始
私が受講した時の裏技的な使い方
私は合計3回の職業訓練を受講しています。同一地域で2回、別県へ引越し後に1回で、いずれも長期(6~7ヵ月)のコースで、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)での訓練です。雇用保険の受給期間は3カ月でしたが、職業訓練受講中は継続して受給していました。最初の受講時は、ハローワークの職業相談で提案してもらっての受講でしたが、2・3回目は計画的に受講しました。2回目以降の計画的な受講の際に行ったことを紹介します。
- 職業訓練の募集時期に合わせて退職
退職後に最速で職業訓練が受講できるよう、退職前に職業訓練の情報を確認し、退職の時期を調整していました。 - 講義中に別のことを勉強する
講義のペースに合わせず、個人的にテキストや課題を早く進め、資格取得に向けた勉強を行っていました。訓練以上の学習行為に対して、咎められることはありませんでした。 - 訓練時間終了後の個別訓練
通常の訓練終了後、訓練施設に残って資格取得に向けた実技の練習を行っていました。教官にお願いし、実技指導も受けていました。こちらも訓練以上の学習行為に対して、咎められることはありませんでした。
2、3についての補足ですが、IT系の訓練を受講している中で、電気工事士の勉強を行っておりました。つまり、複数の職業訓練を受けているのと同等です。訓練受講初日に教官へ相談し、協力的に対応してもらいました。
職業能力開発促進センターは、就職を目的とした訓練施設なので、地域、訓練施設によって対応可能な範囲は変わってくると思いますが、就職のための行為に対し、可能な限り協力してくれます。